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「釣りの前」「釣の後」の楽しいを最大化

2019年独立起業した釣針屋のBLOGです。

作り手と多くの釣人がつながる仕組みができないか?模索中

専用機や金型製作技術を「釣人のワク!ワク!」に変換していきます。

プロトⅢメイキングブログ⑥

 

 

ご希望の方にお配りしたプロトⅢです。

 

今回の意図は「針先側を高く作り、餌を出来るだけ軸側に寄せたい!」です。

 

正確に言えば

 

「残り餌が軸に寄りそうな形状にすれば何か起こるのか?」です。

 

 

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プロトⅢ

仕上がった段階では

残り餌はどんな動きをするのか?どの様に掛かるのか?まったく予想がつきませんでしたが極端な形状をとる事によって大きな違いがでるのでは?と思っていました。

 

4種類の形状の違い

形状M-Kのみ線径は2.0mmです。大きさに対して材料が細いので強い平打加工をしました。結果画像で比較しても太く見えます。平打加工を強くすると断面はより縦長の楕円になるので残り餌を「切り裂く」能力は少し上がるかも?しれません。

 

1番初めに作ったのは形状Aです。基本的な「ラウンド形状+微前上がり」です。その次は同じ形状で細い形状M-Kです。

 

もう少し極端な形状でないと違いが出ないと感じたのでさらに前上がりにした形状Sと形状S-Kを作った流れです。

 

尖頭(針先の角度は?)

S形状は細くやや鋭角に、その他3種は太く強く仕上げています。

 

しつこいようですが・・・

 

継続してお伝えしている事は

「カンヌキを抜くのに極端な鋭角の針先は必要ではない」という事実です。

 

この件に関しては先に結果を言いますとまったく問題なくカンヌキを抜いています。

 

これは単純に「問題なく刺さり込み貫通させる能力がある」ととらえてください。

 

針先が滑りカンヌキに針先が滑り込むなど「良い副作用」の有るor無しは事実としてはお伝え出来ません。

 

僕の考えでは不必要に針先が立つのは避けたいとの思いはあります。

 

この件に関して面白い(興味深い)意見もお聞きしました。

それは逆の発想で「鋭角な針先が口の中で立つと嫌がって魚が走り出す」との見方!これもあるかもしれないと思い、頭においております。

 

カンヌキは狙わない?

実際の現場では100%カンヌキにとはいかないのが現実だよと教えていただきます。どちらかと言えば遠投の方が多いように思います。

 

皆さんの話を統計していくと

・小型の石鯛、イシガキはスレ掛かりしてしまう場合も多いようです

・餌取りの状況などで複数の餌をつける必要がある時など

・硬く大きめの餌をつける場合

 

そこで針先を細く仕上げてあらゆる場面を想定して作ったのがS形状になります。

 

 

初期段階での針先のベクトル設定

針先のベクトル(針先のカーブが描く仮想の延長線)は穴のあたり~軸端に向けるように作っています。僕がオリジナルフックを手掛ける時は開発初期段階では必ず針先のベクトルはこの向きになる様に設定します。

 

何度か書いたかもしれませんが魚体の外側から引っ掛ける針は基本このベクトルをもった針が多いのがその理由になります。

 

 

序盤の結果

 すでに年末までに5名の方には釣果のご報告をいただきました。結果は

・スッポ抜け情報・・・5

・カンヌキ貫通・・・5

・下唇の皮・・・1

・上唇の皮・・・1

などなど当然ですが多様な掛かりやスッポ抜けでしばらく苦戦が続きそうです。

 

今回はプロトⅢの作り手側の思いについて書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

次回はプロトⅢの「隠れテーマ」と序盤の結果まとめなどを書いてまいります。 

 

 

お読み頂きありがとうございました。これからも良い仲間と共に~