針先の長さ
4月中頃から5月の連休のころ僕の花粉症はピークを迎えます。目がかゆくて鼻がズルズルで薬が無いと頭がボーっとします。ところが薬を飲むと眠気が襲ってきます。春はあんまり好きじゃないな~。
今日は針の重要なポイント!「針先」のお話をしてみたいと思います。
Needle point=針先
針先を英語にするとニードルポイントだそうです。ポイントと書いてあると点をイメージしますが、ここでの針先はテーパー全体を指してお話します。
釣人が針を手にする段階では当然の事ですがメッキや防錆処理、塗装などが完了しています。この状態では「針先はどこまで?」か見てもわかりにくいのではないかと思います。
尖頭工程(せんとう)
写真は2番目の工程、尖頭工程後のものです。釣人のなかには針先を作る加工方法が切削加工(刃物で削る)だと思っている人がいますが、加工は「研削」になります。
「砥石で削り取る」加工方法になります。
釣針は分業で作っておりますので、当然「尖頭屋」さんがあるわけです。分業の良い所はその工程を専門に行う事によって習熟度が高まることが最大のメリットです。
釣針製造において、この尖頭こそ日本の釣針が誇る技術であると言えます。
尖頭以外の針先もある
尖頭は材料を転がしながら研削していくので断面形状は「丸」です。しかしルアーの針なんかでは「切断の結果で針先を作る」工法もあるのです。
説明しますね。
針金をまっすぐ伸ばした状態のものをニッパーで斜めに切断してみてください。先端の尖がった針が出来ます。「そんな物使い物になるのか?」と言われそうですが実際にひと昔まえまでルアーについている3本針の多くはそんな針先でした。
丸に2次加工を加えた針先
やっぱり断面が丸ばっかりでは釣人は楽しくありません。
猟師や医者の話では丸の針先は意外にも刺さり込み抵抗が大きいなんて話も聞いた事があります。
丸断面以外の針先を特徴にしている針は普通に尖頭を仕上げた後、成型時にプレス(カシメ)加工を行い任意の形状にしたものがほとんどです。
どこからがロングテーパー?
最近このワードよく見かけますよね。ジギングとかが多いのではないでしょうか?ロングテーパー自体の説明はいらないと思いますが、その基準ってなんやねんと思われるかもしれません。
針先のテーパーの長さは材料の「線直径の何倍か」によって目安があり線径の約4倍~5倍の長さが基本の長さになっています。
例えば1.88mmの直径の材料で直径の4.5倍の長さのテーパーで考えると
材料線径(Dmm) 1.88mm×4.5=8.46mmとなります。
メーカーによって少し基準が違いますが線径の約4.5倍あたりが基準となっており、一般にロングテーパーと呼ばれるものは5倍~6倍の長さのものが多いようです。
ちなみに鮎の友釣りの掛け針は昔から10倍近い長さに尖頭されています。
針先の形
多くの釣人は針先の形なんて気にされた事が無いのではないでしょうか?上に書いた1.88mm×4.5=8.46を図にしたものです。
三角関数によれば先端角度は約12.7°になります。さて図を見てどのような印象でしょうか?小学校で使った鉛筆削りで削るとこんな形状になって削れますよね。
「細くて、すぐ傷みそう」と思われた方!正解です。
最初の写真の様に実際に釣針の先端は「砲弾型」に研削されているのがほとんどで「線径と長さ」だけで針先の先端角度が自動的に決まる訳ではないのです。
ここが尖頭職人さんのスゴイところで自在に機械をあやつりこちらのオーダーに答えてくれます。
もはや日本の釣針技術の多くは海外に流出していますが、この工程だけは日本人の気質みたいなものにマッチした仕事なのかやはり日本製が良いようです。
すなわち・・・・「ロングテーパー=鋭い」は必ずしも成り立たたない。
普通テーパーでもロングテーパーよりも鋭い針先は存在するって事になります。
そうなるとロングテーパーの良いところは刺さり込み過程の抵抗をゆるやかにしていると言う作用になりそうですね。
まとめます
ロングテーパーと「鋭さ」は必ずしも比例しない。これからは針先も注目ポイントですよ!
こんな話でも「釣りの前」「釣りの後」が楽しくなるキッカケになればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。