ロングテーパーを活かせる針なのか?
草って肥料もやってないのに雨がふるだけでよく育ち、なんてたくましいと毎年のように思う5月がやってきました。
今日は「当たり前やん!」とつっこまれて終わるようなお話です。
前回の「針先の話」にも出てきた「ロングテーパー」の針先!今日はそれを活かすモドリの位置について説明したいと思います。
ロングテーパーを代表する針はやはり「鮎」で線径の約10倍近くの長さのテーパーが多く採用されています。
近年ではトラウトなどでも採用され魚が触れただけで針先が魚体に絡みつく感覚です。
普通に考えるとロングテーパーの特徴は刺さり込み抵抗を小さく出来る事が最大のメリットなのではと思います。
しかしながらこのロングテーパーはどんな針でもその効果を発揮できるとはかぎりません。実は形状やサイズに大きく制約を受けるのです。
鮎やトラウトに共通するのは「スレ」の針であるって事です。スレの針の場合はそのテーパーが長くても問題ありません。
問題はモドリ(バーブ)ありの針の場合です。
略図(上の図)のようにモドリの位置は一般にテーパー部分が終わったあたりにつけてあります。
当然ですが下の図のようにテーパー途中にモドリがあったら刺さり込みが浅いタイミングでモドリという「抵抗」が現れる事になり、テーパーだけロングにしてもどうなの?ってなってしまいますね。
くり返しになりますがそういった理由でモドリの位置は必然的にテーパーが終わったあたりかそこよりも後ろになるわけです。
ここで線径が太く小さい針を思い浮かべてください。
線径が太くて小さい代表選手は「石鯛針」!写真の針は15号相当で線径は1.77mmです。この写真のテーパーの長さは線径の約3.5倍(1.77×3.5=6.195mm)
です。
この針の形状を保ったままロングテーパーにしたい!と・・・例えば線径の約6倍(1.77×6=10.62)に変更したとしましょう。
針先先端の位置をあわせたうえでロングテーパーの特性を守ったモドリの位置を想像すると・・・・・
モドリの位置は針形状のカーブにさしかかったあたりに来てしまいます。
モドリは線材の一部に切り込みを入れて「グイっと」起こしたものなので、線材に入った「傷」と考えることもできます。
負荷のかかるカーブに傷があるなんて致命的ですよね。
まとめます
モドリ付きの針でロングテーパーを採用するには形状と大きさに制約を受ける。
当たり前やん!
最後まで読んでいただきありがとうございました。