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釣針屋comoe

「釣りの前」「釣の後」の楽しいを最大化

2019年独立起業した釣針屋のBLOGです。

作り手と多くの釣人がつながる仕組みができないか?模索中

専用機や金型製作技術を「釣人のワク!ワク!」に変換していきます。

釣針の作り方① 材料編

ハイパー?,スーパー?,ストロング?なカーボンってなんやねん!

皆さんも知っての通りカーボン(C)は元素名であってハイパーでもストロングでもありませんが釣人に楽しんでもらえるように各社材料に工夫していろいろな名前を付けておられます。
さてその実態はいかに・・・
「大変残念な事ですがそんなに多くの選択肢がない」というのが現実です。
釣針の材料は中炭素鋼から高炭素鋼に分類され、簡単には3種類~4種類(カーボン含有量)の材料に集約されています。

  • 0.6w%C~0.7w%C・・・例:ジギングフック,石鯛,大物

  • 0.8w%C・・・例:チヌ,伊勢尼など多種にわたる

  • 0.9w%~1.1w%C・・・例:鮎,キス投げ


カーボンの含有量が上がる(ある範囲では)につれて材料から引き出せる硬度が高くなりますので鮎やキス針の様に石や砂に常に接触する針(耐摩耗性)には向いているといえます。しかし硬度(耐摩耗性)と靭性(折れにくさと考えてください)は相反するもので硬さを追求すると折れやすく、靭性を追求すると耐摩耗性が下がります。つまりそれを調節する熱処理の工程で失敗するとその特徴を引き出す事が出来きないということです。
今回は多くのメーカーでたくさん使われている材料について書きましたが、実はgamakatuさんのGハード材だけは少し違う材料なんです。それはまたの別の機会に・・・

タイヤの進化が恐ろしい?

多くの選択肢はないと書きましたがそれは他の産業も含めて考えるとすぐにわかります。
残念ながら釣針の流通量だけでは材料会社に影響力が小さいのです。
材料会社にとって影響力があるわかりやすい例は自動車のタイヤです。タイヤはゴムの部分と補強のために多くのワイヤーが使われており釣針と同じく高炭素鋼線に分類される材料を使用しています。
タイヤのために作られるワイヤーは日本の1社の工場だけ月産6000トン~7000トン製造されており釣針向けは残念ながらその1%以下の生産量なんです。他にも高炭素鋼線は使われておりバネなどもその1つの例ですがそれらもやはりタイヤと比較すれば1%以下となっておりいかにタイヤに使われているワイヤのインパクトが大きかわかります。
タイヤメーカーではコストや使用済みタイヤの処理の問題からワイヤレスを目指しているようです。近年では実用化レベルに近いタイヤのサイドウォールがまったくの別構造になったものが開発されているようでこの先タイヤの進化やEV化も気になってくるところです。
今回は材料の成分や線径などの規格については書きませんでしたがみなさん興味があるのはそっちのほうでしょうか?
今後も釣針加工工程のお話をすると常に材料がついてまわるのでその時にすこしずつお話していきます。
材料についてはマーケットによって支配されある程度集約されてしまうのは仕方ない事ですが釣人が思い描く形状を作り出すのは私たちですのでそのへんの楽しみはこれからも追及していきたいと思っています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

お読み頂きありがとうございました。これからも良い仲間と共に~